ご挨拶
IVRはインターベンショナル・ラジオロジー(Interventional Radiology)の略で、日本語では「画像下治療」と訳されます。X線透視(レントゲン)やCT、超音波といった画像検査を用いて、リアルタイムに体内の状態を確認しながら、針やカテーテルといった細い医療器具を入れて、標的となる病気の治療を行います。IVRは、1980年代の中頃から広まり始め、今や様々な医療の領域において欠かせない存在となっていますが、当教室はその導入・開発・普及に多大なる実績を上げてきました。IVRセンターは2014年に設立され、心臓領域を除く、ほぼ全身すべての領域で日本でもトップクラスとなる年間1500件に及ぶIVRを施行し、日本のIVRを牽引しております。
部門紹介
IVRセンターでは、脳神経、循環器、大血管・末梢血管、腫瘍、救急など全ての領域のIVRを包括しており、心臓カテーテル領域を循環器内科、脳神経領域を脳外科が行っている以外は、他の領域は全て放射線科が担当しています。放射線科の中でも専門領域により細分化され、大動脈・末梢動脈を担当する血管IVRチーム、腫瘍・ドレナージを担当するオンコロジーIVRグループに分かれています。取り扱う疾患が多岐に渡るため、各診療科とカンファレンスを重ねながら、最適な治療を提供できるよう日々診療に当たっています。
業務内容
外傷や消化管出血などの救急疾患に対する血管塞栓術、良悪性腫瘍に対する血管塞栓術や動注化学療法、胸部・腹部大動脈瘤に対する大動脈ステントグラフト治療、下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管形成術、中心静脈ポート留置術、経皮的針生検術、ドレナージ術などを行っています。最近では、子宮筋腫に対する塞栓術や、運動器疼痛に対する塞栓術、がん症状緩和のIVRを始めております。