部門紹介
奈良県立医科大学附属病院の高度生殖医療センターでは、日本産科婦人科学会の 「体外受精・胚移植に関する見解」・「顕微授精に関する見解」・「ヒト胚および卵子の凍結保存と移植に関する見解」・「生殖補助医療実施医療機関の登録と報告に関する見解」 に従い診療を実施しています。内視鏡下手術や体外受精、顕微授精などの高度生殖補助医療(ART:assisted reproductivetechnology)を大学病院ならではの充実した施設・設備等及び経験豊富な知識・技術を備えたスタッフが行います。
受診を考えていただきたい方
妊娠を希望する夫婦(またはパートナー)が妊娠するための生活を1年続けられても妊娠しない場合は、病院の受診をお勧めします。また、昨今の日本国内の晩婚化が進んでいる状況から1年を待たず、もっと早期の受診を勧めるとの考えもあります。
カップルでご協力が必要
なかなか赤ちゃんを授からないカップルでは、65%の女性、 48%の男性に異常を認めることが知られています。女性・男性ともに原因が認められることもよくあります。カップルで検査を受けていただくことをお勧めします。
不妊の主な原因
女性の主な原因
●卵巣:卵巣機能不全
●卵管:狭窄癒着、閉鎖、水腫
●子宮:筋腫、奇形、発育不全
●内分泌ホルモン異常
●子宮内膜症
●その他
男性の主な原因
●精巣(睾丸):無精子症
●精路閉鎖
●性交障害
●内分泌ホルモン異常
●その他
施設及び設備の紹介
採卵室
排卵直前の卵胞から卵子を採取・胚移植を行います。採卵、胚移植後は病室で休んだ後、医師の診察後に帰宅します。
培養室
卵子・精子・受精卵を育てる場所で、高度生殖医療において最も重要な部分です。培養室は母体と同じなので、常に清潔で、外光が卵に当たらないように窓はありません。
インテバイオステーション
クリーンな環境、かつ受精卵や胚の環境変化を極力軽減する為に、ステージ温度調整機能により使用します。胚操作や顕微受精などを実施します。
受精卵観察システム
タイムラプス培養では受精卵を培養器の中に入れたままで観察が出来るため、受精卵を外に出すことによるリスク(光曝露等)やストレスを極限まで減少させることが可能です。