診察日 | 月曜日~金曜日 |
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受付時間 | 午前8時~午前11時 |
診療時間 | 午前9時~ |
休診日 | 土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日) |
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ハイブリッド手術室とは、元来別の場所に設置されていた外科的治療を行う手術室と、カテーテル等を扱う内科的治療を行う血管撮影室を組み合わせた手術室のことです。異なる手技である外科的手技とカテーテルを用いた内科的手技を一つの部屋で行えるようにすることで高度で安全な医療、最新の医療技術を用いた治療が可能となります。
ハイブリッド手術室では、血管撮影装置を用いた3D機能や画像融合機能を搭載することで、飛躍的に高度で精密な手術が可能となり、手術時間の短縮や出血量の減少、入院期間の短縮など患者さんの身体への負担も少ない治療が行えます。また、緊急時にはX線撮影をし、直ちに高画質な3次元画像を作成、観察しながら、その場で大動脈瘤治療、あるいは血管修復術の手術であるステントグラフトなどの先進的な手術を迅速かつ安全に実施することが可能です。
手術のみでは到達困難な部位に対しても治療が可能となり、カテーテルのみでは治療できない病変に対しても手術と組み合わせることにより治療を可能にします。
SIEMENS社製 Artis zeego
当院のハイブリッド手術室には、血管撮影装置としてSIEMENS社製Artis zeegoが導入されています。Artis zeegoは8軸の関節を備えたアームの柔軟な動きにより、多彩なポジショニングによる撮影が可能で、術者の手技や手術に必要となる周辺機器を阻害することなく運用することができます。また、血管の3D撮影やCTのような画像(CT like image)を撮影することも可能で、幅広い手技に対応することが可能です。
ハイブリッド手術室を使用する手技として代表的なものに、TEVAR(Thoracic EndoVascular Aortic Repair:胸部大動脈ステントグラフト内挿術)およびEVAR(EndoVascular Aortic Repair:腹部大動脈ステントグラフト内挿術)があります。大動脈瘤とは、胸部や腹部を流れる大動脈と呼ばれる大きな血管に瘤(こぶ)ができた状態で、主に動脈硬化などにより引き起こされます。大動脈瘤は破裂してしまうと救命することは難しく、死亡率は80~90%と言われる病気です。そのため、破裂前に治療を行い、破裂を防ぐことが重要となります。
治療の方法としては開胸・開腹による外科的な人工血管置換術が以前より行われてきましたが、高齢や他の疾患の有無、体力的にリスクが高く、施術が困難な可能性があります。
TEVARやEVARはカテーテルを用いてステントグラフトと呼ばれる人工血管の一種を血管内に留置する方法です。足の付け根からカテーテルを挿入する必要があるので、両脚の付け根を切開する必要がありますが、切開するのは数cm程度と、開胸や開腹の必要のある外科的手技と比べて体の負担が少ないのが特徴です。脚の付け根から挿入されたカテーテルを大動脈内まで挿入し、大動脈瘤前後の血管にステントグラフトを留置します。ステントグラフトを展開することにより動脈瘤に血圧が掛からなくなり、動脈瘤の拡大を予防することができます。
ステントグラフト留置後も動脈瘤がなくなるわけではないので、定期的な検査は必要となります。
TEVAR前 |
TEVAR後 |
手技前後でステントグラフトを展開したことにより動脈瘤が小さくなり、動脈の太さが正常な範囲となっている。
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