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IVR

IVRとは

 IVRとは、インターベンショナル・ラジオロジー(Interventional Radiology)の略で、X線透視やCTなどの画像で身体の中を見ながらカテーテルや針を使って行う治療です。IVRは局所麻酔で行うため身体にあたえる負担が少なく、病気の場所だけを正確に治療でき、入院期間も短縮できるなど優れた特徴を持っています。

 当院では、IVRを専門的に行うIVRセンターが設置されており、診断を含めて年間約5000件の症例があります。

 

ANGIO-CT装置

 この装置はIVR-CTとも呼ばれ、X線透視装置とCT装置が一体になったCANON社の装置を導入しています。当院では、数多くの症例を行っており他院からも多くの医師が見学・研修に訪れ、そしてCANON社とも研究・開発を行っています。
IVRの手技においてANGIO-CT装置は非常に重要な役割を担っており、手術中に撮影した画像を使用し診療放射線技師が3D画像を作成することで、治療が安全かつ素早く行う事が出来るようにサポートしています。
 婦人科領域におけるIVRでは、子宮筋腫に対する動脈塞栓術が行われています。この治療では比較的若い女性の方がIVRに来られるため、当院ではできる限り被ばくを低減する撮影条件などを作成し、医師と診療放射線技師が協力し被ばくの低減に取り組んでいます。

 

 

 

透視装置:CANON社製  Alphenix
CT装置:CANON社製 Aquilion one

 

頭頸部血管撮影装置

 この装置は頭頸部領域の診断および治療の際に使用する装置です。当院では脳血管撮影装置として、バイプレーン血管撮影装置を導入しており、手技は主に脳神経外科医師が行っています。頭頸部領域のIVR件数は、カテーテルの進歩により年々増加しており、日本では年間1万件以上の手技が行われています。またカテーテル治療は、外科的手術では治療困難な脳の中心部分でも治療を行う事が出来、入院期間が短いというメリットがあります。

SIEMENS社製 Artis Q Biplane

 

心臓血管撮影装置

 この装置は心臓領域の精査及び治療の際に使用する装置です。
心臓血管撮影装置としてバイプレーン血管撮影装置を導入しており、被ばく低減と治療時間の短縮に務め、患者様に優しいIVRを行っています。
心臓血管撮影装置では、心臓血管カテーテルの専門である循環器内科医が手技を担当し、その他に看護師、診療放射線技師そして臨床工学技士といった様々な職種のスタッフがチームとなり日々のIVRに従事しています。
当院ではこの装置を2台設置しており、心筋梗塞、心不全、不整脈といった心臓由来の疾患に特化したIVRを行っています。

Philips社製 Allura Clarity

 

IVRで用いられる技術の一例

肝臓がんに対するTACE

 TACEとは肝動脈化学塞栓療法の略で、肝細胞がんは動脈から栄養されるために、腫瘍を栄養する血管内に進めたカテーテルから抗がん剤と血流を遮断する塞栓物質を注入し、腫瘍を壊死に陥らせる治療法です。
 当院では、術中にCTHA Dual Phase法(肝動脈造影下CT)を用いて撮影する事で、肝細胞がんへ供給する動脈を末梢まで描出するCT画像を撮影します。そして、素早く手術支援画像としてVR画像を作成し手技を行う医師に提供を行う事で、選択的TACEという肝細胞がんのみを塞栓し、正常肝細胞への影響を出来る限り低減するTACEが可能となります。

CTHA Dual Phase法

 

手術支援画像を用いたTACEの流れ