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放射線治療とは、高エネルギーの放射線を人体に照射して、がんを治療する方法です。外科療法(手術)、化学療法(抗がん剤)と並んでがんの3大治療法の一つとして知られています。
放射線治療の特徴として、他の治療方法よりも低侵襲で、体への負担が少なくて済むことが挙げられます。
病気の状態に合わせて放射線治療のみで治療を行う場合や、手術や薬物療法と組み合わせて治療を行う場合があります。
当院では現在、3台のリニアック装置と、密封小線源治療装置(高線量率、低線量率)により治療を行っています。
放射線治療では、レントゲン等のX線検査よりもエネルギーの高い放射線を用いるので、リニアック(直線加速器)と呼ばれる専用の装置を使用します。リニアックによる治療は、体の外側から放射線を照射するため、外部照射と呼ばれます。
リニアックを用いた放射線治療は、寝台上で寝た状態で行います。1回の治療時間が15分から20分程度と短く、治療中は痛みや熱感などを感じることはありません。
当院では、現在3台のリニアック装置が稼働しており、様々な疾患に対応しています。
Varian社製TrueBeam |
Varian社製TrueBeam STx |
Varian社製Trilogy |
強度変調放射線治療(IMRT:Intensity Modulated Radiation Therapy)は、放射線治療計画装置による最適化により、腫瘍に放射線を集中し、周囲の正常組織への照射を減らす事ができる治療方法です。IMRTは、マルチリーフコリメータ(MLC:Multi Leaf Collimator)と呼ばれる放射線の照射形状を成形する装置を動作させながら放射線を照射することにより、放射線強度を変化させることにより、複雑な形状の照射を可能とします。そのため、副作用を増加させる事なく、より多くの放射線を腫瘍に照射することが可能になります。
強度変調回転照射(VMAT:Volumetric Modulated Arc Therapy)は、IMRTを応用した照射法で、照射ビームを変調させながら照射ヘッドを回転させることで、IMRTと比べて治療時間の短縮を図ることができます。
VMATを用いた前立腺照射の例
VMAT(左)は従来法(右)と比べて直腸(水色)に照射される放射線量が減少している
(赤い部分が高線量域、青い部分が低線量域を示す)
定位放射線治療とは、腫瘍に集中して一度に高線量の放射線を照射する方法です。
通常の外照射よりも高い精度で位置決めを行い、放射線を病状の形状に正確に一致させて3次元的に集中照射する方法です。
頭部の定位放射線治療(SRS:Stereotactic Radio Surgery,SRT:Stereotactic Radio Therapy)と、体幹部の定位放射線治療(SBRT:Stereotaoctic Body Radio Therapy)があります。
頭部は転移性脳腫瘍やその他の頭蓋内悪性腫瘍、その他聴神経腫瘍などの良性頭蓋内腫瘍も治療対象となります。
体幹部は原発性肺がんや転移性肺腫瘍、肝腫瘍を主な対象としています。ただし、どのような場合でも治療できるわけではなく、基本的にはリンパ節転移などのない、比較的小さな腫瘍に限られます。
SRSの一例
大脳の腫瘍(矢印部)に対し、複数の方向から集中的に放射線を照射する
画像誘導放射線治療(IGRT:Image Guided Radio Therapy)とは、X線画像やCT画像から骨、腫瘍、正常臓器の位置情報を把握し、治療寝台を適切な位置に補正(誘導)します。
当院では、Exactracという装置や、リニアック装置により撮影可能なX線撮影装置(OBI:On Board Imager)やコーンビームCTによりIGRTを行っています。
高線量率密封小線源治療(HDR:High Dose Rate)は、リモートアフターローディングシステム(Remote After Loading System:RALS)と呼ばれる装置を用いて放射線治療を行う方法で、頭文字を取ってラルス(RALS)と呼ばれます。リニアックでの治療は体の外側から放射線を照射しますが、ラルスでは、専用の器具を体内に挿入して体の内側から照射します。HDRは、あらかじめ病変部に放射線源を通すためのアプリケータと呼ばれる器具を留置し、コンピュータにより計算された位置に放射線源を走査させることにより、腫瘍部に放射線を集中的に照射する方法です。主に子宮、前立腺、食道がんなどで用いられます。 |
Nucletron社製 マイクロセレクトロン HDR-3V |
当院では、子宮や前立腺の密封小線源治療にIGBT(Image-Guided Brachytherapy:画像誘導密封小線源治療)が用いられています。IGBTは、X線CT装置やMRI装置による3次元画像を治療計画に用いる方法です。腫瘍と正常臓器の3次元的位置関係に基づき線量を調整することで、腫瘍のサイズに応じた線量投与が可能です。
子宮頸がんのRALSではCT画像を用いたIGBTが用いられる
子宮頸がんや一部の子宮体がんに対し、RALSが用いられます。子宮頸がんの治療では、タンデムと呼ばれるアプリケータを一つ、膣内にオボイドと呼ばれるアプリケータを二つ挿入します。当院ではX線CTを用いて治療計画を作成し、アプリケータ内を放射線源が計画により決められた位置に移動することにより、照射を行います。
アプリケータ |
アプリケータを留置した状態 |
前立腺の治療方法の一つに、HDR(High Dose Rate:高線量率)組織内照射法があります。アプリケータ針は手術室で留置し、放射線の照射は高線量率密封小線源治療室で行われます。治療室ではCT撮影を行い、CT画像を基にどのように放射線を当てていくかをコンピュータにより計算し、照射を行います。 |
アプリケータを留置した状態 |
HDRの計画画像
子宮頸がんと同様IGBTによる計画を行う
低線量率密封小線源治療(LDR:Low Dose Rate)とは、弱い放射線を出す小さな放射線源を体内に挿入し、体の内側から、長い時間をかけて、ゆっくりと放射線を照射する方法です。当院では主に前立腺がんに対して行っております。
非常に弱い放射線を出す線源(ヨウ素125シード)を前立腺の中に永久的に留置する治療です。前立腺の大きさや形に合わせて、超音波で確認しながら、必要な個数(60-70個くらいが多い)を挿入します。
ヨウ素125シード |
前立腺に留置された状態 |
放射線を出す放射性同位元素(RI:radioisotope)を用いて行う放射線治療です。病巣部に集まる性質を持った放射性同位元素(RI)を、内服もしくは注射によって体内に投与します。集まったところで放射線を出して、がんを治療します。現在、以下の治療を行っています。
(*)2023年1月現在、薬剤供給不可のため、休止中
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ヨウ素131製剤
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ラジウム223製剤
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