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スタッフインタビュー

呼吸器内科 本津Dr

呼吸器内科では院内他科や地域と連携し、肺がんをはじめとするさまざまな呼吸器疾患を診療しています。「患者さんが思っていることを話せるような雰囲気を作りたい」と話す本津茂人医師に、日ごろ診療の中で大切にしていることについてお聞きしました。

患者さんに寄り添って病気を治す仕事に興味を持ち、医師の道へ

医師になりたいと考えるようになったのは、私が中学生か高校生だった頃のことです。看護師をしていた伯母から仕事の話を聞くうちに、患者さんに寄り添う医療という仕事に関心を持つようになりました。

実際に医師になってみると、ずっと臨床の現場で診療していくことに魅力を感じつつも、研究者として、少し違った立ち位置で医療に携りたいという気持ちも湧いてきました。私は肺がんを専門としているので、基礎研究を通してがんの病態を深く理解することが、その後の診療でも必ず役立つと思ったのです。そこで当時の教授の後押しもあり、分子予防医学という分野で国内留学する機会を得ました。分子予防医学はいわゆる免疫学のような領域で、大学院では日本で権威とされる教授の下で学ぶことができました。その国内留学を経てこちらに戻ったのですが、当時の経験は現在の診療にもつながっています。

ちなみに当院の呼吸器内科は、研修医の先生から「チームでしっかり指導してもらっています」と言われるほど丁寧に対応する医師が多いという印象です。何でも話しやすく相談し合えるような、垣根がない雰囲気の職場ですね。

院内他科や地域の医療機関と連携して集学的治療を展開

呼吸器内科で診療する機会が多いのは、肺がんを筆頭に、間質性肺炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支喘息、睡眠時無呼吸症候群などの病気です。大学病院という特性上、COPD、気管支喘息といっても、難治性でコントロールが良くないケースが多いですし、重症の呼吸不全でも神経・筋疾患を伴うような患者さんだったりします。

当院は奈良県のがん診療連携拠点病院に指定されています。抗がん剤などの薬物療法や放射線治療、手術という、がん診療の3本柱を備えており、がんに対する集学的治療を行っている点が強みです。放射線治療においてはがんをピンポイントで狙い撃ちできる機械を導入しており、高度な放射線治療が可能です。

薬物療法では初回治療から免疫チェックポイント阻害剤を使うことがありますが、頻度は低いものの、免疫関連の有害事象が起こる恐れがあります。その点、当院にはあらゆる診療科がそろうので、厄介な有害事象が起きたとしても即対応できます。肺炎であれば呼吸器内科、大腸炎なら消化器内科、内分泌系のトラブルは糖尿病・内分泌内科というふうに専門の診療科と連携しているので、患者さんにとっても心強いのではないでしょうか。

万一当院にベッドの空きがない場合は近隣の医療機関にお願いする必要があるため、地域連携も重視しています。緊急性が高い患者さんはもちろん当院で受け入れますが、入院が必要でも緊急性はそれほど高くない場合は、近隣の中規模病院と連携して治療開始が遅れないよう努めます。呼吸器内科の専門医を地域に派遣したり、勉強会で密に情報共有したりしているので、連携はスムーズだと感じます。

画像だけでは診断できない難しさが、同時にやりがいでもある

呼吸器内科では、画像や血液検査だけでは確定診断ができないことがよくあります。例えばCTやレントゲンなどの画像で影があっても、その原因が細菌なのかウイルスなのか、そこまでは分かりません。あるいは誤嚥が原因だったり、原因不明の特発性の肺炎だったり、アレルギー性の過敏性肺炎だったりする可能性もあります。画像を見るだけで判断できないのは、呼吸器内科の難しいところですね。

画像だけでなく、血液データや問診などの情報も含めて総合的に判断して病気を絞り込み、最終的には組織を採取して確定していく。このプロセスをたどるのは大変ですが、同時に医師としてやりがいを感じる部分でもあると思っています。

患者さんが言いたいことを言えるような、
対等に話せる雰囲気を大切にする

医師は専門家という立場なので、専門知識を示して一方的に患者さんを引っ張っていく診療スタイルになりやすい、昔からそう言われてきました。でも、それでは患者さんが思ったことを言えなくなってしまいます。ですから、患者さんとお話しする時は極力 ”上から目線“にならないように努めています。専門的なことを説明する際は、「何か分からないこと、気になることがあれば言ってくださいね」と言葉で促し、患者さんが何か言い出そうとした様子に気づいたら、こちらの話を途中で止めて「何かありますか?」と声をかけます。そうやって呼び水を加えるようなコミュニケーションで、言いたいことをできるだけ話していただける雰囲気を作りたいですね。

ただ、私たちが対等に話そうと意識しても、患者さんの中にはどうしても「医師のほうが上」と受け止める方もいらっしゃいます。ですから、「患者さんのほうが上」と思うくらいでようやく対等になれるのかもしれませんね。私たちは話を聞かせていただく側なんだという姿勢を常に忘れないように気をつけています。

もう1つ、いつも心がけているのは、最初の治療方針を決めたり診断内容を説明したりする時に、手書きでメモをとることです。説明が終わったらそれを資料としてお渡ししています。例えばご家族が同席される場面では、診察室で家族間の話し合いを行うのは難しいので、いったん資料として持ち帰っていただくわけです。つたないメモ書きではありますが、次回受診までにご自宅で話し合う時の参考にしてもらえたらと思っています。

コロナ禍で心苦しかったのは、患者さんを長くお待たせしたこと

ここ数年の新型コロナウイルス感染症の流行下、当院では感染症内科が主体となって膨大な数の患者さんを診療しました。大学病院という性格上、ここで受け入れるのは重症や超高齢の患者さんばかりです。呼吸器内科ではICUと連携して人工呼吸器やエクモを回し、重症の方や、回復して一般病床に戻った患者さん、人工呼吸器からなかなか離脱できない状態の患者さんなどを中心に治療にあたりました。

感染流行のピーク時は発熱した方々を長くお待たせせざるを得ず、非常に心苦しかったですね。発熱トリアージ外来で発熱者をチェックしていたのですが、一時はブースが不足して診察まで4時間、5時間もお待たせしたことがありました。今後同じような状況が起きた時に備えて、今回の教訓を活かし、病院として何らかの工夫をしていくことになるだろうと思っています。

特に肺がんリスクの高い人は定期的な健康診断が欠かせない

ご存じの通り肺がんの一番の原因は喫煙で、1日の喫煙本数×年数が400を超えるとリスクが高くなります。COPDや間質性肺炎だと診断されている患者さんもリスクがあるので、少なくとも年1回は何らかの形で検査を受けることをお勧めします。早期に肺がんを発見できれば、呼吸機能に負担の少ない方法で治療をすることが出来ます。

もちろん、喫煙歴や持病がなく肺がんのリスクが低い人も注意は必要です。肺がんは女性より男性のほうが2.5倍多いと言われますが、女性の肺がんが少ないわけではありません。女性の場合、喫煙との関係が深い扁平上皮がん、小細胞がんが少ない一方で、腺がんというタイプは多い傾向にあります。喫煙歴がある方のほうが発がんリスクは高いものの、非喫煙者の肺がんも、皆さんが思う以上に多いのです。

慢性的な咳や息切れの背後に色々な病気が隠れていることもあり、特に喫煙歴がある方の場合は呼吸器の病気が疑われます。肺がんの早期発見、早期治療には健康診断が欠かせないので、リスクの高い方はもちろん、低い方も年1回の検診は欠かさず受けるようにしましょう。気になることがあればかかりつけ医にご相談の上、必要に応じて当院に紹介してもらってください。

効果的かつ安全な治療の開発を目指し、研究にも注力する

呼吸器内科では教授がCOPDを専門としていることもあり、COPDの患者さんの経過や診療内容を登録する観察研究の取り組みが進みつつあります。QOLや呼吸困難など、アンケート方式で自覚症状の改善状況などを点数化する試みも始めています。どんな患者さんに対してどんな治療が効果的だったのかを検証し、学会発表や論文投稿もしていけたらと思います。COPDに限らず、ゆくゆくはこのような取り組みを気管支喘息や間質性肺炎、肺がんなどにも広げたいですね。

私自身についていえば、今後は他施設との共同による肺がんの臨床研究に参加したいと考えていますし、間質性肺炎を合併する肺がんに関する基礎研究も進めているところです。
より効果的で安全な治療法の開発につながる研究成果を得るべく、努力していきたいと思います。

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